弘前にて講演

財団法人愛成会の弘前神経科学研究所というところで講演に呼ばれて来ました。
「はやて」と「つがる」を乗り継いで、13:38に仙台を出まして、八戸が15時頃、弘前到着は16:45。
新幹線ができたというのは大変なことですね。

弘前には7,8年前の連休に桜を見にいったのですが、その年はちょっと開花が早くて、散り際を眺めてきました。
今回は2回目になります。
八戸に近づくにつれ窓の外には雪の積もった田んぼが広がり、国が南北に細長いことを再認識しました。
四季がある国に棲んでいることは、私にとってはメンタリティーの形成に重要だったように思いますし、季節が巡ることを嬉しく思い、慈しみたく感じます。

講演に参加されたのは、併設されている弘前愛成会病院の方々と、関連する弘前大学医学部精神科(+学部生数名)。
こちらの病院は精神科がメインの病院で320床ほどのベッド数。
作業療法室や心理室も持っているとのこと。

プレゼンの途中でKeynoteが動かなくなり、はて?と思いましたら、バッテリー切れ。
プラグに差し込んだつもりが忘れていたようです(^_^;)
講演のテーマは「神経新生の低下と統合失調症発症の脆弱性」ということだったのですが、年齢が上の先生方には、「脳細胞は140億くらいで、毎日20万くらいずつ失われていくのが定説。ヒトで本当にそうなのか?」などと懐疑的コメントも頂きましたが(「現在、ヒトでも神経新生が起こることは報告がある」と言ったつもりなのですが、そのためのスライドを使わなかったので印象が薄かったからかも)、大多数の参加者は「ふーん、そんな話もあるのか」と思っていただけたようでした。

終了後の夕食会では、上記とは別のとある臨床の先生から、「サイエンス(註:基礎研究という意味のようです)に徹する話として出して、いろいろ証拠を示していって、臨床医から<あれ、それって、統合失調症に似てない?>と問わせるような展開にしたら良かったのでは?」というご意見を頂きました。
イントロに「統合失調症の生物学的指標」を持ってきたのですが、一介の基礎研究者がそれを先に出すのはお好みではなかったようです。
ま、批判されればそれをバネにしたいと思う質なので、次回は違った構成を試してみます。
もちろん、その間に研究がさらに進展して、説得力あるデータが足されていくことが最も重要だと思いますが。

関係者の方々、大変お世話になりました。
有り難うございました。

*****
バースデイカードを贈るのがうちのラボの習慣なのですが、最近、ほとんどどの方にも遅れ気味。
(間違って、早めに渡してしまったケースもあり)
私の分も本日頂きました。
皆さんの暖かいメッセージはとっても励みになりますね。
有り難うございました。
by osumi1128 | 2007-12-06 23:57 | 旅の思い出

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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