仙台市景観シンポジウムで考えたこと
2008年 01月 31日
参加者は120名くらいだったのではと思います。
パネリストはほかに
大山 健太郎氏 アイリスオーヤマ(株)代表取締役社長
三浦 均氏 (株)JTB東北団体旅行仙台支店支店長
涌井 史郎氏 桐蔭横浜大学医用工学部特任教授
コーディネーターは小松 俊昭氏 金沢工業大学研究支援機構産学連携室コーディネーター
そのほか、コメンテーターとして楠本 修二郎氏 カフェ・カンパニー(株)代表取締役社長 が参加されました。
授賞式が大幅に長引いたので、2時間の予定が1時間半しかありませんでしたが、コーディネーターの事前の打ち合わせや采配がよかったので、ちょうど3巡、発言できました。
参加された方々はそれぞれ違う立場だったので、様々な意見や提案等が出ましたが、こういう話題は身近ですから、誰でも参加できるのが楽しいですね。
私自身は、1巡目では今回の景観賞大賞になった「テレビ塔のライトアップ」にまつわる話として、出張の帰りの新幹線から、あるいは普段、車で帰宅する際にも眺めてほっとすることと、実はそのライトアップの電気系統の施行に関わったのが、うちの研究室の秘書さんの一人のご主人だった、ということを話しました。
仙台という街は人と人の距離が近いということですね。
2巡目は、美しい景観を保つためには、その地域にいる人々の意識も大切で、規制も必要であることについて、スイスや国立市のことを例に挙げて述べました。
3巡目は、地域に開かれた大学として、これからどのように関わるべきかということを話しました。
昨年の百周年記念祭の際には、片平キャンパスを2日間、大々的に解放して、2万人の人出がありましたが、次の百年、学都仙台のシンボルとしてどんな展開ができるか考えていくべき時期だと思っています。
打合せのときにも話題になったのですが、「仙台の人は質実剛健ですね」「<見所はどこですか?>と尋ねると<見るほどのところは特にありませんよ>と答える。<食材王国って、何が美味しいのですか?>と訊くと<何でも美味しいです!>と答える。それでは何が見るべきところか、美味しいのか伝わりませんね」このあたりが、「発信力」の欠如を示しているのでしょう。
ある意味、かつては豊かな米処を抱えてきて農閑期の努力をしなくても済んだこと、東北地方の中では中心地なので、宣伝をしなくても人は勝手に集まってきたこと、旧制高校としては二高であって一高の次だと思っていたり、東京の流行を数年遅れで追いかけていれば間違いないと思っていたこと、関連して、新幹線が開通してからは独自の文化圏を築くよりも東京に近くなってしまったこと、などなど、現在の置かれた位置づけにはいろいろな原因があると思われます。
10年前に仙台に来たとき、まだスタバの支店が1軒もなく、東京に戻る度に「お客様の声」に「是非、仙台に出店してください!」と書きまくった甲斐あって(笑)、それから2年後くらいに仙台一号店ができました。
上記のシンポのコメンテーターの楠本さんは、10年前にカフェを出店して、うまくいかずに撤退した、というお話でしたが、ちょっと時期尚早だったのですね。
私が見るところ、カフェにしろレストランにしろ、週末に外食する人の絶対数がまだ足りないように思います。
県外からのお客さんも、日曜日の3時頃に帰っていくのですよね……。
「それって、早くない?」
「でも、道が凍りますからね……」
いや、夏でも高速道路に通じる道は3時頃から帰路の渋滞が始まります。
でも、この10年で少しずつ、センスと元気の良い小さなお店が確実に増えてきていますね。
たいてい、30代のオーナーさんだったりシェフだったりします。
そういうお店が潰れると困るので(笑)、サポーターとしてかなり頻繁に通っています。
景観にしろ飲食店にしろ、支えているのは結局は「人」なんだと思います。