静岡大学に行きました
2008年 02月 08日
火曜日は乃木坂で学術会議第二部冬季公開シンポジウムという会で講演をし、平日の午後にも関わらず、1階の会議場がそこそこ埋まる120名くらいの参加者に恵まれるイベントとなったようです。
学術会議の第二部というのは、いわゆる「生命科学系」とはいえ、理学、農学、医学、歯学、薬学、保健・看護学などがすべて集まっていますので、専門性という意味ではそれなりに広く、会員の間でのコミュニケーションという意味でも、専門が違う方々にいかに分かっていただくか、という意味では、十分に異分野交流的な会でした。
水曜日、初めて新幹線で静岡駅にて下車し、静岡大学を訪れました。
学長の興直孝氏はJSTの前身である科学技術振興事業団の専務理事、内閣府政策統括官、広島大学の理事などを歴任された方ですが、昨年、学長に就任されたとき、副学長のお一人に大村知子教授(付属幼稚園長)を起用されています。
今回の共同参画シンポジウムは、さらなる展開に向けたマイルストーンという意味なのだと思います。
上川陽子大臣(共同参画担当)が静岡の出身ということで、ポスターには来賓挨拶と載っていたのですが、国会中ということで、板東久美子局長が代読されました。
基調講演の遠山嘉一氏の奥様である元文部科学大臣・遠山敦子氏も静岡の出とのことでした。
そういう地域的な縁もあってか、会場は満杯で200名くらい。
熱気に溢れていました。
遠山氏は応用物理学会でも共同参画等に関わってこられ、現在は日本女子大学のモデル事業による特任教授でいらっしゃいますが、そもそもは「家庭内共同参画」の推進者であり、現在も、3人目のお孫さんの保育園のお迎えを週に2回されているとのこと。
乳母車を押しているご自身の画像に、会場全体が和みました。
育児との両立支援におじいちゃまの存在は大きいですね。
パネル討論では板東局長がコメンテーターとのことでしたが、最初に20分ほど講演され、「ワーク&ライフ・バランス」を強調されていました。
ダイバーシティーを生かしつつ、いかにパフォーマンスを上げるかということが、今後の日本の発展に重要という観点です。
パネリストのお一人である都河先生@東大特任教授は、平成19年度から始まった東大における男女共同参画の取組についてご披露されましたが、小宮山総長の全面的なバックアップにより、東大がいよいよ動く!という感じでした。
2008年度の間に4つのキャンパスに学内保育園を設置するというプランは、おそらく優秀な女性教員確保という意味だけではなく、外国人も惹きつけるための戦略と思われました。
詳しくは東京大学男女共同参画オフィスHPをご参照下さい。
(うちの総長もこういう風にお出まし願えたらなぁ……)
私の方からは東北大学の取組ということで、「1913年、日本初の女子大学生入学」に始まる輝かしい歴史と現実のギャップ、サイエンス・エンジェル制度等のモデル事業における取組などについてお話ししました。
20分ほど(実は5分オーバー)の間に何度か笑いを取れたのは良かったと思っています。
「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」の2年目を終える時期にあたり、サイエンス・エンジェルたちの成長ぶりには目を見張るものがあります。
母校出張セミナー、各種科学展示イベント等を通じて、自主的、自律的な企画立案、活動などを行ってきたことが、大きな経験になっているのでしょうね。
3月8日にSA研究交流会&活動報告会を開催予定で、とても楽しみです。
ちなみに、女性研究者育成支援モデル事業は平成20年度も募集があり、全国でのさらなる展開が期待されています。
このような活動は大学・研究機関全体におけるワーク&ライフ・バランスの改善等につながりますので、実は女性のためだけになるのではない、ということを、興学長も、板東局長も強調していらっしゃいました。