iPS細胞の行方

本日は朝9時半から東京で用務が4つ。
皆さんに「ほとんど仙台にいられないのではありませんか?」と心配されるのですが、そんなことはありません。
東京での会議の折には複数固めて用務を入れ、中途半端な日程での出張は原則お断りしています。

本日一つめは、とある外資系企業に、日本神経科学学会の男女共同参画イベントへのご寄付のお願い。
さすが外資の会社は「おちらでしばらくお待ち下さい」と言われたロビーの雰囲気も違いますね〜。
この会社では研究者でも女性が60%を超えるということでした。
初めてお目にかかる方でも共通の知人がいるというのは、生きてきた年数が蓄積しているからでしょうね。
でも、話のきっかけとしては有り難いです。

*****
さて、本日の話題はまたもやiPS細胞です。
今朝の朝日新聞に万能細胞のがん化、ほぼ回避 京大の山中チームまた前進という記事が載っていました(リンクはasahi.comです)。
iPS細胞の安全性の確認は、この細胞を医療応用する場合に極めて重要なポイントです。
山中さん@京大再生研は、iPS細胞を移植した場合に想定される癌化に関して、遺伝子を導入する際のウイルスベクターの関与よりも、c-Mycの方が大きいということを14日付けのScienceに発表しました。

一歩一歩、進んでいることが、一般紙に報道されるということは、これまでのライフサイエンス分野ではなかったことですね。
いよいよ、実用化に向けた整備も進めていかなければならないと思われます。

ところで、再認識したのですが、日本では「臨床研究」と「治験」は別の法律で扱われています。
「臨床研究」は医師の行う研究であり、基本的には医師法のもとにあります。
これに対して「治験」は薬事法の管轄下、という扱いです。
例えばiPS細胞の実用化を考えた場合に、今後どんな風に進めていくのか、若干懸念が残ります。
同様に気になるのが、この分野における科学コミュニケーションです。
本当は、オトナになってからというよりも、初等教育における科学リテラシーだと思うのですが。
小中学校の先生方を対象とした先端科学講習なども、今後より重要になるのではと考えます。

それで思い出しましたが、Y御大のブログで何度も取り上げられている倖田來未発言ですが、週刊文春情報によれば、ネタ本は『水は何でも知っている』(江本勝)なのだそうです。
やれやれ……。
氷の結晶は美しいし、例えばお花に「綺麗に咲いてね!」と語ることは自然な気持ちだと思いますが、「綺麗な結晶になってね!」と囁いたからといって、氷の結晶の形が変わるとは思えません。
一方で、例えばダウン症の発症率が母体の年齢とともに上がることは、遙か昔から知られた事実です。
by osumi1128 | 2008-02-15 19:44 | 科学技術政策 | Comments(0)

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