もっと科学コミュニケーターの活躍の場を!
2008年 03月 24日
ちょうど昨年の今頃、修了式にお呼ばれして札幌に行ったのでした。
1年、あっという間ですね〜。
今年は我が東北大学脳科学GCOEに企画広報担当ということで来てもらった長神さんがコメンテーターの一人でしたね。
3年前に科学技術新興調整費のプロジェクトとして始まった「科学コミュニケーション人材育成プログラム」ですが、北大、東大、早大のプログラムは一応終了ということになります。
この間に、全国での科学コミュニケーションは確かに盛んになったと、少なくとも私は思っていますし、上記関係者の方々などは皆さんそう思っておられると思います。
……ただ、はっきりいって、まだまだ知名度は低いです。
官庁関係の会議に出る際に、折に触れて「こういうプロジェクトには、きちんと市民向けへのアピールもする専任の人が必要です。研究者が片手間に出来ることではありません。」と発言しているのですが、「そんな人はいますかね?」と言われることが多々あります。
もちろん、そういうご意見を言われるのは、私よりも年配の男性なのですが、「3年前から、科学技術新興調整費では……云々」とご説明しても「はぁ〜」という感じで、想定外なんですね。
今、盛んに行われているサイエンス・カフェなどは、それはそれで結構なのですが、その世界で閉じて欲しくないと強く思います。
逆の言い方をすれば、科学コミュニケーション業界という世界が、その中で楽しく過ごせればよいという人たちのためのものになって欲しくはありません。
科学コミュニケーションなどしたくないし、する暇もない、と、研究に邁進する研究者も大いに結構だと思いますし、直接、市民向けにお話しするのも楽しいな、と思う科学者もいてほしいと考えますし、自分では研究成果を出すことはしないけど、研究の動向はきちんと把握しているという方も大事で、それをさらに、本に書いたり、講演をして伝えたりという人材も必要です。
そういった、いろいろな科学との関わり方をする方を上手く取り込んでサイエンス・イベントを企画することに生き甲斐を持つ方も、そのお客さんとして来て下さって、批判もして下さる方々も、もっと増えてくれたらいいなと思います。
そんな風に、科学を支える裾野が広がり、層が厚くなることが、日本の科学を持続的に発展させることになるのだと信じています。
そのためにはまず、科学コミュニケーターの活躍の場が必要です。
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直行便で神戸に移動。
明日から発生再生センターの国際シンポジウムです。
(あ、日付はもう今日でした)