日本の神経発生学
2008年 03月 26日
「こんな年度末ぎりぎりの時期でなければ」と思うことしきりでしたが、留守を秘書さんたちにお任せして、アカデミックな時間に浸ってきました。
オーガナイズされた方々、どうも有難うございました。
ひとことで言って、「ゴージャス」に尽きるミーティングでした。
海外からの参加者も、最新データを惜しげもなく30分の時間に圧縮して話してくださり、大いに参考になりました。
日本の神経発生学のレベルは非常に高いのですが、日本の神経科学学会というコミュニティーの中で、他の分野に比してどうかというと、その成立が若いということもあって、人口比に合わず必ずしもメジャーとは言えないのが残念に思います。
例えば、北米神経科学学会は5万人くらいの会員数で、2万から3万人の参加者のある年会が開かれるのですが、全日ポスターセッションの枠が設けられている中で「Development」というジャンルは「A」という一番最初のカテゴリーになっていて、「神経新生neurogenesis」もここに含まれます。
脳がどのようにして構築されていき、また、引き続いてどのようにメンテナンスされていくかは、developmentやneurogenesisという連続的な概念として捉えることができるのですが、日本語ではdevelopmentが「発生」と「発達」という言葉に分かれてしまっているせいか、あるいは、神経発生の研究者と、例えば精神遅滞の研究者の交流が少なすぎるのか、underreprsentativeのように思えます。
今回のシンポジウムで良かったのは、2つか3つのトーク(それぞれは20分もしくは30分)が終わるとcoffee breakがあったこと。
人の集中力が1時間半くらいで限界であることを考えると、このくらいのブレイクが会議を円滑に運営する秘訣だと感じました。
ポスターセッションは主としてお昼休みの時間を兼ねていて、これも良い時間配分でした。
発生再生センターのセンター長である竹市先生が、全日、朝から晩まで会場で熱心に聴いていらっしゃったのも心に残ることでした。
大学の執行部の先生方では、なかなかそうはいかないだろうなと思うことしきり。
研究所ならではの時間の流れだと思いました。
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神戸空港から羽田便の最終で東京へ。
車で10分ほどのところに空港があるなんて。
ボーイング737は7割くらいの混み方でした。
明日は日本生理学会の若手企画シンポジウムに朝8時からの参加です。