サクラサク:東北大学新入生歓迎セミナー

樹に咲く花が好きです。
とくに、梅とか木蓮とか、そして桜とか。
昨年ずっと溜めておいた命のちからを、葉を付ける前に絞り出して花を咲かせるのが潔くて。
染織家の志村ふくみさんの本だったと思うのですが、桜は花を集めてその汁で染めても桜色にはならないのだけど、不思議なことに枝から抽出した液に布を浸すと、それが桜色に染まるのだそうです。
花の咲く前の枝や幹や根に、桜の花のエッセンスが集まっているのでしょうね。

本日、仙台でも桜の開花宣言が為されました。
仙台では、1月に梅、2月に木蓮、3月に桜、という具合でなく、それらがオーバーラップして咲きます。
なんだか春が慌ただしいようにも感じますが、木蓮も桜も咲いている風景は、なかなかにゴージャスです。
お料理やさんで頂くタラの芽や、スーパーの野菜売り場に並んでいる巻きの弱いキャベツなど、春を感じさせるものはいろいろありますが、やはり桜は格が違いますね。

*****
本日は東北大学新入生歓迎セミナーでした。
講演者は3名で講演順に以下のようなタイトル。

「まなざしのちから:発見するよろこびをみつけよう!」
大隅典子・東北大学大学院医学系研究科教授
「地球システムと自然災害一突然の猛威」
今村文彦・東北大学大学院エ学研究科教授
「分化としてのカラスの自動車利用行動」
仁平義明・東北大学大学院文学研究科教授


今村先生は地震や津波のご研究で、「宮城県沖地震37年周期」という警告を発していらっしゃいます。
仁平先生は、カラスが胡桃を道路に置いて、車に轢かせて割って食べる、という行動をすることを、会場であった仙台国際センターと川内キャンパスの近くで、偶然発見して、研究対象にされたという方です。
お二人とも、とてもトークが上手でした。
本当は、観客席がもう少し埋まっていたらね。
午前中にあったらしい生協関係のイベントには数百名来ていたらしいのですが(笑)。
私の話は、神経細胞が大人の脳の中でも生まれるというお話と、かつて権威あるカハールは「できあがった脳ではもはや神経細胞は生まれない」と書いたことにより、発見が業界に浸透するのに時間がかかってしまった、というエピソードを紹介し、「新しいことを見つける”まなざしのちから”」の大切さや、発見するよろこびについて語ろうと思ったのですが、30分ものだったので、やや時間不足でした。

いずれにせよ、ちょうど桜も咲いて、東北大学生たちの新しい出発をお祝いしてくれましたね。
こういう行事にはマストで出席しなければならない執行部の先生方と、ご準備頂いた学生部の事務の方々、お疲れ様でした。

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ところで昨日、東北大学ディスティングイッシュトプロフェッサーの任命式があり、辞令を受け取ってきました。
本学にご縁があって呼んで頂き、ちょうど10年目という節目に、このような栄誉を頂けたことは、大変有り難いことだと感じ入ります。
暖かく迎えて下さった大学関係者の方々、また、研究の現場で頑張っている学生さん、スタッフの方々、秘書さんたち、皆さんのお陰だと感謝しています。
この場を借りて御礼申し上げます。

ところで、この長いカタカナの称号を「抜群教授」とするのは好きではありませんね。
やっぱり「看板教授」くらいでしょうか。
(「看板娘」としてはトウが立ちすぎですがー苦笑)
今日の講演はそういう立場での初仕事でした。
by osumi1128 | 2008-04-05 22:53 | 東北大学

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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