どうなる科学技術立国ニッポン

知り合いに録画して頂いた新BSディベート「どうなる科学技術立国ニッポン」を、何回かに分けて見ました(なにせ、コマーシャルなしでたっぷり2時間なので)。

討論者は、元文部大臣の有馬先生、OKI社長の篠塚氏、ノンフィクション作家の山根氏、慶応の戸瀬先生に加え、MITの石井裕先生も中継で参加。
オーディエンス20名くらいのうちの一人として、我が東北大学サイエンス・エンジェルの今井さんも入っていたのですが、放映された部分はほんの少し。
でも、ポスドク問題等について、きちんとした言葉で話していました。
さすが、です。

かなり長い番組なので、いろいろな論点があり、「ゆとり教育」についての議論もありました。
(有馬先生は「ゆとり教育」を推進した時期の文部大臣)
科学技術行政の中枢に博士号取得者がきわめて少ない(あるいは、理系も少ない)ことも、根本的な問題ですが、私は番組の中で取り上げられていたフィンランドの初等養育について、非常に興味を持ちました。

小中学校の教員になるのには、専門の大学・大学院(修士)で6年の教育を受ける必要があるのですが、その際に、修士課程ではちゃんと論文まで書くのだそうです。
その内容も、人によっては数学だったり化学だったり、とのことでしたし、基本的な知識としても、文系科目から理系科目までまんべんなく履修することが必要ということでした。
(日本で、いわゆる教育学部に進学するなら、理系科目は重要度が少ないと見なされるのとは、大きな違いですね)
もちろん、教育のスキルについても厳しいトレーニングがあり、教育実習は数ヶ月に渡るということでした。

この国では、教師が非常にリスペクトされている様子がうかがわれ、これこそが基本だなぁと思いました。
子供の数が少なくなる時代だからこそ、手塩に掛けて育てることが必要なのだと感じます。

再放送は以下の通りです。
4月20日(日) 第1部 13:10~14:00 第2部 14:10~15:00

by osumi1128 | 2008-04-09 01:00 | 科学技術政策

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