旅の総括

今回の欧州出張の総括です。

【持ち物編】
1週間の出張だったので、Veronicaのところへのお土産もあるし、ラゲッジは預けることにして大きめでした。
持って行って使わなかった・使えなかったのは、少し薄手のニット・アンサンブル。
まったく気温が適していませんでしたね(苦笑)。
靴も、ほぼ1足のショートブーツしか履かなかったのですが、帰国翌日に東京で立ち寄るところがあるので、帰りのパッキングではブーツを仕舞いました。

今回、無くて困ったのが「変圧器」。
携帯の充電器を国内用しか持ってきてなくて、つないだら何かピコピコ光っていて、どうしてだろう? と考えて、しばらくしてから「!!! 電圧が違うから嫌がっているんだ!」と気がつきました。
思えば、上海から帰る際に、成田で国内用の携帯をスイッチオンにしたら、ウンともスンとも言わず、「何故壊れたのだろう?」と不思議に思ったのですが、これが原因だったのですね……(溜息)。
そのときは、国内用と国外用と2つを持っていて、最後の晩に帰国に備えて国内用の携帯を充電しようと思って、国内用の充電器と接続し、その間に携帯はお亡くなりになった訳です(合掌)。
で、留学中のNさんに変圧器を一晩お借りして、事なきを得ました。
持ってきたバッテリー2つとも充電しましたし。
今度どこかで購入しておきましょう。

それにしても、もう一回り小さいスーツケースが欲しいですね(と「鞄持ち」の物欲がちょっと刺激されています)。
今、うちには3、4泊くらいまでに良いものが2つあるのですが、海外1週間にはちょっと足りない。
以前によく使っていたのは、大きさはぴったりなのですが、キャリーが「紐を引く」タイプなので、ちょっと使いにくいのです(おイヌの散歩状態)。
今回持ってきたのは2週間くらい対応可能なので、ちょっと大きめ。
パッキングしてるときに、ゆとりがありすぎると何か入れたくなって重くなってしまいます。
一応、懸案事項としておきましょう。

【サイエンス編】
エジンバラでセミナーをし、ストックホルムの学会では良い情報収集ができました。
ちょうど執筆中の論文原稿がありますので、即、役立ちます。
カロリンスカ研究所の共同研究者のところにも訪問して研究打合せでき、何よりでした。
という訳で、移動時間と時差を勘案しても、行った価値は十分にあったといえるでしょう。

Days of Molecular Medicineにおけるいろいろな発表からは、精神・神経疾患分野で、日本は負けているなぁと感じました。
例えば、パーキンソン病の方の治療のために、何らかの細胞(胎児由来の未分化な細胞が一番多い)を移植するのは「当然」で、すでに「どのような分化状態の細胞を入れるのが予後がよいか」「軸索を伸ばさせるためには、他にどのような処理をすればよいか」などのフェーズに入っています。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供は「作業記憶working memory」が低下している(=病態の理解)ので、それを良くするためのトレーニングとしてコンピュータ・ゲームのようなプログラム(DSのような端末を使うもの)が開発され、数百人単位でトレーニング前、後や、コントロール(あまり難しくないトレーニング)との比較も為されています。
あるいは、統合失調症や自閉症のリスク遺伝子のリストはどんどん増えていて、病態の理解を元にした治療戦略が考えられています。
うつ病の治療のためのdeep brain stimulationも「安全でreversibleな治療法である」という理解が進みつつあります(私は受けたくないですが)。

そこで思い出したのですが、先日、新入生歓迎セミナーでご一緒した東北大学の仁平先生(心理学)が、『大学生の思考の柔軟性は低下したか?—<ルーチンスの水差し問題>の解:15年間の変化』という論説を書かれていて、それによると、柔軟な思考をする大学生は1980年代末から1990年代にかけて約70%から40%に低下したとのことでした。
ちょうど、大学入試に「全国共通一次試験」が導入されたのが1979年で、それが「センター試験」と名前が変わったのが1990年のことですね。

真にイノベーションを生み出せるような研究者を育成するのに(その数は多くなくてよいのですが)、日本の教育制度が今のままでよいのかどうか、真剣に考えるべきと思います。
先日のBSディベートでMITの石井さんが言われていた「マジョリティーに合わせた教育だけでは駄目」に強く賛同します。
また、数学科のK先生は「東大の先生が普通の学生に<行列>なんか教えていては、才能の無駄遣い。天才は天才のみを指導すべき」という趣旨のことを、かねがね主張されています。
「大学のグローバル化」ということも問題になっていますが、すべての大学が「一律、外国人学生比率を30%にすべき」というような対応は、まず最初に事務系職員が対応できず、その負担が教員に回ることは必至なので、さらに全体の地盤沈下となるでしょう。
80%に合わせて済むシステムは、これからは成り立たないと思います。
あるいは、小学校の徒競走の際に「皆で、お手々繋いでゴールイン」というような教育をしていたら、本当に国が滅ぶと心配です。

……気がついたら、「旅の総括」からだいぶずれてしまいました(苦笑)。
今、ストックホルムのアーランダ空港で、チェックイン待ち。
早めに来たのですが、スカンジナビア航空以外は2時間前にならないとカウンターが開きません(涙)。

* ****
その後、Air Franceの自動チェックイン機で手続きをし、それによって開いている1つのカウンターで荷物を預けられることを発見。
いろいろと新しいシステムになっていますが、なんとか対応できて無事にラウンジで無線LANにアクセスできました。
やれやれ……。

*****
結局、投稿は乗り換えのシャルル・ドゴール空港のラウンジからになりました。
1時間4.5ユーロ・・・うーーーん、高い・・・
by osumi1128 | 2008-04-21 01:39 | 旅の思い出

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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