日経サイエンス08年7月号
2008年 05月 26日
あまり時間がかかりすぎると飽きてしまうので(笑)、左右1本ずつに「3Dアート」と呼ばれている白いお花+スパンコールを少々というものをオーダー。
この3Dアートに使うのが日本語では「レジン」と呼ばれているプラスチックです。
白い粉と液体を混ぜ合わせると重合して固まるのですが、これは歯医者さんで「仮歯」を作るときなどにも使われるものです。
かつて大学から大学院時代に歯科臨床のトレーニングをしていたので、私にとっては懐かしい匂い。
有機溶媒で、けっして身体にはよくないと思いますが。
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出張の折に『週刊文春』をよく読みますが、コラムを書く方のバリエーションが増えたように思います。
林真理子氏の「夜更けのなわとび」は5月29日号で1077、椎名誠氏の「風まかせ赤マント」も889回という長寿コラムですが、お茶大哲学の土屋センセイによる「ツチヤの口車」も557回で、中村うさぎ氏の「さすらいの女王」が490回。
竹内久美子氏のコラムはしばらく前にタイトルが変わった(今は「ドコバラ!」=動物行動学バラエティーに由来)ので25回ですが、もっと前から似たようなコラムが連載されていますね。
長寿だった高島俊男氏の「お言葉ですが…」は2年前に終了しており、新しいところで、東大薬学部出身で脚本家・CMディレクターの大宮エリー氏の「生きるコント」が85回、やはり脚本家・演出家・映画監督のクドカンこと宮藤官九郎氏は、娘のことについて書いたものが3歳のお誕生日で終了し、今回連載第0回では字数が増えていました。
(すみません、他にもコラムはありますが、それらはめったに読まないので割愛)
さて、それらに加えて、先週号から福岡伸一氏の「パレレルターン パラドックス」というコラムが始まりました。
先日こちらのブログでも紹介しましたが、『生物と無生物のあいだ』を書かれた、青山学院大学教授の分子生物学者です。
今回は「コラーゲンは身体によいのは本当か?」というようなテーマです。
コラーゲンを食べても消化されてバラバラのアミノ酸になってしまうので、意味無い、という主張なのですが、最近では完全にsingle amino acidに分解されるのではなく、peptideの状態であることが多いと言われています。
だからこそ、古来、コラーゲン含有食品が珍重され、薬膳にも多用されており、近年になって「コラーゲンペプチド」が商品化されている訳で、そのあたりご存じないのかもしれませんね。
おしなべて機能性食品とよばれるほとんどのは「気のせい食品」であると私は思う。
というダジャレはちょっと面白かったですが。
もう一つ、先週号から開始された「仕事のはなし」というのは、木村俊介氏が毎回いろいろな方に取材してまとめているコーナーですが、第1回目で取り上げられていたのが、「脳科学者・池内裕二」氏でした。
『進化しすぎた脳』はなかなか面白かったですが、他は読んでいません。
今週号はHIVと戦う内科医の本田美和子氏が取り上げられていました。
「死にません、しかし治りません」と言うところから始まる患者さんとの付き合いは大変だろうと想像します。
という訳で、コラムのバラエティを増やしておくのが、週刊誌売り上げ連続1位をキープするのに重要かもしれないと読んだのですが、どうでしょう???
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さて、先日行った茂木さんとの対談が、日経サイエンス7月号(5月24日発売)に掲載されました。
中身はこちらのように、iPS細胞やら、手足の再生(知り合いのケン・ムネオカさんの記事)に加え、東北大・理の素粒子の戸塚さんや小柴先生が関わる「カミオカンデ」など、読み応えたっぷり。
残念ながら、対談は「ダイジェスト」では見られませんので、是非、図書館や店頭で。
(あ、ご購入頂くのも大変結構なことかと……)