Seong-Seng Tan博士、来仙
2008年 07月 11日
本日は朝から歯学部の学生さん相手に2コマの講義で始まりました。
ふと気付くと午後3時を回っていて、夕方は昔からの友人のSeong-Seng Tan博士のセミナーでした。
彼はマレーシアの生まれで、現在はメルボルン大学の教授ですが、1980年代半ばに神経堤細胞に関する研究を行っていて、その論文に載っている美しい走査電子顕微鏡写真は、今でも(本日も!)神経堤細胞の講義で使っています。
その後、大脳皮質の発生などでも良い論文を出されて、さらに最近では脳損傷などへの応用に関しても研究しているということで、何か歩んできた道が似ているなあと思います。
しかも、実は歯学部出身ということを本日知って、ますます親近感が沸きました。
さらに、日豪ジョイントシンポジウムでもう一人のオーガナイザーであったPerry Bartlett教授も歯学部のご出身とのこと。
5名中3名が女性、3名が歯学部出身というのは(歯科関係の学会ではないのに)、改めて見直すとちょっと珍しいですね。
セミナーはNeuroscince2008のシンポジウムと同じテーマを、もう少し詳しく話して頂きました。
ちょうどまだ学会は3日目なので戻っていないメンバーも多く、またうちの医学部で行ったので、大脳皮質の発生の方のテーマではなく、神経細胞死を防ぐ可能性のある分子についてのお話でした。
参加者は決して多くありませんでしたが、中身の濃いディスカッションになって何よりでした。
夕食は彼のパートナーもご一緒に和食のTに5名ほどで行ってきました。
海鞘やガゼ雲丹、クジラのお刺身なども追加で頼みまして、珍しがって写真に撮っていました。
English lesson参加者の二人にとっても、良い「実践編」だったと思います。
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明日は第1回日本キネステティク研究会@宮城大学で教育講演を行います。
「キネティクス」というのは、介護などにおいて身体特性を利用して少ない力でケアされる方の体位を変えたり、身体の状態がケアされる方の気持ちにどのように影響するかなどの「身体を動かすこと・感覚入力を活かすことによるQOLの向上を目指す」のだと思います。
(すみません、不理解な部分もあると思いますが……)
このたび日本キネステティク研究会は、人の感覚と動き(キネステティク等)の概念に関する、学術・技術的研鑽および交流の中で看護を探求し、教育・実践を通して医療と福祉の向上、ひいては人々の生活の質(QOL)の向上に寄与することを目的に設立いたしました。近年、安静の功罪が明らかにされてきており、キネステティク概念の看護への応用に対する関心は高まっており、本会の活動が臨床において大きな変化をもたらすと考えています。
さらに明後日が第2回脳カフェです。
プラネタリウムクリエーターの大平氏をお招きして、「脳と星について語る」ことになっています。
「脳と星」にまつわるネタを3つ、4つ用意しています。
それから、日曜日の朝、NHKラジオの「あさいちばん」の「日曜訪問」というコーナー(7:39-53)で、先日取材を受けました分が放送予定。
美人キャスターの佐治さんは、火曜日のサテライトシンポジウムにも来て下さって、さらに追加の収録をしました。有難うございました。
テーマは「研究者の人材育成、サイエンス・エンジェル、脳科学」あたりなのですが、どんな風に編集されているのか、その日は聴けませんので、なんとか考えましょう。