サイエンティストライブラリー:特別編
2008年 09月 21日
本日書いていたのは「第6章:軸索伸長とガイダンス分子」のところ。
脳の発生過程で、神経細胞が産生された後に、軸索というケーブルの部分が伸びてつながって、神経回路が構築されます。
神経発生という研究分野の中でも、神経回路の構築は、いわば、王道中の王道です。
このときに、どうやって正しくケーブルが伸びてつながるのかについては、「正しい道筋を見つけること」と「正しい標的を見つけること」の二つの仕組みが必要です。
正しい道筋をどうやって見つけるかというと、「こっちの水は甘いぞ」や「こっちの水は苦いぞ」というガイドになるような物質や、それを感じ取るセンサーがあるからなのですね。
そのあたりのことを書いていました。
ガイダンス分子やそのセンサー(受容体)の発見の歴史は、それは面白いドラマがいろいろあるのですが、名古屋大学の名誉教授になられた藤澤肇先生も、ニューロピリンとプレキシンという受容体を見つけられた方で、そのことを「コラム」として書き込むために、調べ物をしていましたら、こんなサイトに巡り会いました。
サイエンティストライブラリー:特別編~日本の生命研究を築いた科学者~
生命誌館が刊行している『生命誌』という雑誌のweb版からまとめたものですね。
ジャンルは一応、遺伝学、細胞生物学、神経科学、生化学、生態学・行動学、発生学、生物物理学に分かれています。
それぞれの方のお写真は大西成明氏に撮影されていて、とってもカッコイイです。
webならではのリンクの多さも魅力ですね。
藤澤先生の分は発生学の中でした。
藤澤先生は「昆虫少年(現役)」です(笑)。
私は藤澤先生のお弟子さんとご縁が深く、共同研究を平田たつみさん(遺伝学研究所)を行いましたし、昨年までの助教のNさんや、その後任のSさんも同門です。
研究への取組方に感じられる共通のフィロソフィーから、研究が人から人へと受け継がれていくのだと思います。
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本日は岩手・宮城内陸沖地震から100日目。
行方不明の方で見つかっていない方も残っています。
本日の画像は医学部キャンパスの植木で、これにクリスマスの飾り付けをしたら綺麗だろうなと、ずっと思い続けているのですが……。