山中さんに紫綬褒章

博多の朝は遅いですね。
この季節の6時代でもまだかなり暗くて、ちょっと感覚がずれた感じです。
そうえば、米国東海岸では現地時間で本日日曜日の午前0時にサマータイムが切り替わるはず。
朝起きたときは、ちょうど1時間寝坊した感覚になるのでしょうね。

福岡空港は博多市内からとても近くて便利です。
ただし、ターミナル3にラウンジが無いのが難点。
そりゃー、いくらハブ空港とはいえ、福岡—仙台便等の乗客数は少ないでしょうから仕方ないのですが……。
せめて無線LANスポットだけでも作ってくれるとよいのに。

そういえば、日本学術会議の乃木坂の建物内で、無線LANがついに整備されたというお知らせが届いていました。
何か行事で行くたびに、無線LANがあったら有り難いのに、と言い合っていたのですが、皆さんの願いが叶ったようです。
多くの忙しい先生方はPHS経由のプロバイダに入って、インターネットに接続されているのだと思います。
先日、プロバイダの契約は研究費で支払えるのか、秘書さんを通じて東北大学医学部の事務に聞いてもらったのですが、「基本的に不可。<私用には使わない>という理由書のようなものが必要」と言われて、頭に来て止めました。
このあたりの予算執行の運用は現場の事務方の中間管理職のあたり(係長クラス)の意向が強く、同じ研究費でも研究機関によって扱いが異なります。
私が訊いた何人かの研究者は「研究費で払えますよ」と仰ってたのですが、うちは研究者が<子供扱い>されているようです(笑)。

そもそも、「研究時間」というものが9時5時に限定されていないのが研究者で、朝起きてから夜寝るまで、何をしていても研究のことを(も)考えているのだと思います。
だからこそ「裁量労働制」という名の下に、「超過勤務手当」はつきませんし、朝遅かったり、自宅で仕事したりも可能ではあるのですが。
したがって、インターネットへのアクセスについても、例えば「研究に関係のあるサイトにしかアクセスしない」と誓約したとして、Yahooのニュースも、誰かの個人ブログも、何かのアイディアにつながったりする可能性がある訳で、あるいは、研究者の友人へのメールの中身には、論文の相談もあれば、「このお店が美味しかった!」という情報も共存しうるもので、オトナならそのあたりのファジーな線引きを自らしているのだと思うのですが(例えば、なるべくワーキングアワーのメールでは呑み会の日程調整はしない、とか、公序良俗に相応しくないサイトには近寄らないなど)。
で、プロバイダ契約について「理由書(のようなもの)を書け」と言われることにはカチンとくるのですね……。
おっと、実はこの反応が大人げない? 
オトナなら「はーい」と言って理由書を書いてしまえばよい???

それで思い出したのですが、そもそも、こういうcreativeな仕事をするタイプの人間というのは、どちらかというと「子供っぽい」のではありました。
子供っぽいということは、好奇心が強く、夢中になりやすく、損得勘定は度外視する、ということです。
先日来取り上げている吉田直哉さんについて、司馬遼太郎が評したという言葉がぴったりなので引用しておきます。

 「創造は人間の中の高度の少年の部分がやるのである。音楽、絵画、詩、むろんテレビ制作もそうだろうし、恋愛もつねにそうである。彼(吉田直哉)の中の”少年”はテレビ勃興とともにすごしてきて、その新しい表現の場で思いきった 
主題を展開してきた。・・・」 平成元年、NHKスペシャル「太郎の国の物語」にテレビ出演した作家、司馬遼太郎の吉田直哉評である。この番組は司馬の歴史観を通じて、明治時代を生きた人々を語る、映像による日本人論で、テレビ演出家、吉田直哉のNHK卒業記念の思い出 の深い作品である。
 司馬の吉田評は続く。「もう十分つくったでしょう。が、どうしてもやるという」「なんど断られても”少年”はいつもいきいきとした目で私の家の戸をたたくのである。そのつど、彼は私の中で乏しくなりつつある”少年”の部分をゆさぶっては、近所の原っぱにつれてゆき、この本(明治という国家)の内容の事を、少しずつ語りあい、ついには遂げさせてしまった」吉田の瞬間に放つ”少年”の輝きを司馬遼太郎は深く読みとったのである。(中島伸吾著、『オール・バイ・マイセルフ』仙台二高の同窓会サイトより)


さてさて前置き(?)が以上に長くなってしまいましたが、タイトルにしました「山中さん、紫綬褒章受章」は今朝の西日本新聞の朝刊で知りました。
例えばこちらの記事をどうぞ(京都新聞)
今回受賞の紫綬褒章43人のうち、女性が24名というのは過去最高の割合でしょう。
現役のスポーツ選手なども多かったですね。
ピアニストの中村紘子さん(本名福田紘子さん)も小さいときからのファンなので嬉しいです。
山中さんの「少年の部分」が磨り減らないことを強く望みます。

*****
実は、昨日はちょうど10年前に仙台に着任した日でもありました。
仙台で迎えることはできませんでしたが、無事にここまでこられたことに感謝の祈りを捧げました。
大学院生二人、スタッフ二人で始まったのが翌年の4月から。
気がついたら25名を超えるラボになっていました。
この10年は本当にあっという間でした。
恙無く10年を過ごすことができましたのは、とにもかくにも周りの方々のお陰です。
有難うございました。
次のフェーズにどのように向かい合うかを考えているところです。

山中さんに紫綬褒章_d0028322_2143773.jpg

本日の画像は、最近お気に入りのベジタブルサンド(?)。
by osumi1128 | 2008-11-02 21:57 | 雑感

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