英語ライティングセミナー

昨日は脳科学グローバルCOEのスキルアップシリーズ、「英語ライティングセミナー」の第一回目が行われました。

講師にお呼びしたのは東大医学部での講師や翻訳を手がけているミリンダ・ハル先生。
在日期間も長いアメリカ人女性です。
授業は日本語と英語のちゃんぽんで進行。
したがって、nativeの英語を聞いたり、質問に英語で答えたり、というトレーニングも兼ねています。

「皆さんはscientistであると同時にwriterです。」という出だしで始まりました。
つまり、「書かなくては伝わらない、情報発信できない」ということですね。

専門的文章を英語で書く際に気をつけることとして、1) organization、2) format/style、3) grammarを挙げられて、この日は2)のformat/styleについての講義が中心でした。
細かい話、でもあるのですが、省略形のピリオドの後は1スペース空ける、左括弧の前と右括弧の後に1スペース空ける、などの説明は、私にとっては有り難かったです。
学生さんの論文直しは、まずそこからいつも始まってしまい、中身(logicとかstructure)に到達するのに時間がかかってしまうので。
あるいは、それを直すのに疲れてしまうこともあり……。

こういうformatは誰が教えるのでしょうね?
たぶん、私の場合は中学校の教師からも教わった気がしますが、高校受験が終わった後にタイプライターの学校に1ヶ月ほど通ったので、そのときに染みついたかと思います。
スペースが空いているか、いないか、気付かない方があまりにも多いのに、びっくりしていたのですが、それは「日本語では<スペース>で単語を区切るという概念がないということに基づく」というハル先生のご指摘に、ああ、そうだったのか、なるほど、と思いました。
でも、一旦教わったら、それに気付かなければならないと思います。
研究者(それを目指す人)であれば。
なぜなら、そういう「細かい違いに気付く」ことの積み重ねに大きな発見があると思うからです。
細かい違いに気付けない方は良いセンスの持ち主ではないと思います。
それだけが必要条件ではありませんが……。

学部の授業で「間違い探しクイズ」をすることがあります。
左側に正常なラットの胚の写真、右にはとある変異ラットの胚の写真を並べて、「さあ、どこが違うと思いますか?」という質問をすると、学生さんからはいろいろな答えが返ってきます。
「しっぽのあたりの染まり方が違う」などの答えが出ると、ティーチングアシスタントについている大学院生に向かって、「はい、こういうことなので、比較する2つの画像は、問題となるところ以外が限りなく同じであるべきなのですね」などと伝える機会にもなるのですが(笑)。
英語ライティングセミナー_d0028322_8551327.jpg
授業の途中で退席しなければならなかったのは残念。
2日前に歯の詰め物(インレー)が外れてしまったので、歯医者さんに行かなければならなかったので。

ちなみに、先日ご恵贈頂いた『技術英文の書き方55のルール』(片岡英樹著、創元社)には、format/styleが詳しく書かれています。
by osumi1128 | 2009-01-14 08:55 | 東北大学

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