Focus in the Dark 科学写真を撮る
2009年 01月 25日
いやー、ハイビジョンになって、この手の映像は本当に美しくなりました。
(人間をクローズアップで映すには、シミとか皺とかひじょーに鮮明すぎて難ありですが……苦笑)
本日はオオニワシドリのお話。
雌に卵を産んでもらうための東屋を造るは、派手な冠を被った頭を振ってダンスをするは、キラキラした珍しいものを咥えて雌の気を引こうとするは、ものすごく賢い鳥ですね〜。
テクノロジーの進歩は、人がこれまで見たこともないような瞬間を切り取ってくれることもあります。
ちょっと前に編集のSさんから「お好きなタイプの本かと……」とご恵贈頂いた『Focus in the Dark 科学写真を撮る』(伊地知国夫、岩波書店)は、不思議な写真がいっぱい。
表紙になっているのは真っ白なキノコ状のもの。
これ、実はミルクなのです。
ミルクの上にミルクの水滴を連続的に滴下し、タイミングを調節すると、跳ね返ったミルクと上から落ちてくるミルク滴がぶつかって、傘のようになるとのこと。
赤インクの結晶、ビタミンCの結晶などもとても美しい。
著者は「無生物である薬品が、生き物のように結晶化していくようすを観察するのは、自然のしくみの不思議さを垣間見るよい機会だ」と書いていらっしゃいます。
撮影の仕方や撮影条件まで細かく書かれているところは、まるでプロトコール集。
しかも、コンパクトデジカメでも撮影可能とのこと。
サイエンス・ショーの出し物のネタ探しになりそうな本です(笑)。
そういえば、この本の中に「変形菌モジホコリ」(いわゆる粘菌ですね)がガラス面に広がった様子が載っていましたが、そういえば何かに似ているなぁ……と思い出したのは、杉本博司の「Lightning Fields」でした。
下記はちょっと他のサイトから拝借。
印画紙に電磁誘導で不思議な模様が描かれる様子が、とても「生き物」的なのが不思議。