『山形加茂海岸のクラゲ』ほか

年度末の最終日、いろいろな方がご挨拶に見えました。
春を基点として1年を分けるのは、時の移ろいに敏感な日本人のメンタリティーに合っているのでしょうね。
確か、帝国大学は西洋式の秋始まりだった時期があるとか。
今ふたたび始めていますが、個人的にはやっぱり春が区切りです。

今年、医学系の事務方の異動は多かったこともあり、離任式に顔を出してきました。
事務長のご挨拶、離任される方々の中から代表者のご挨拶、その後それぞれにフラワーアレンジメントが渡されました。
お近くの職場に移られる方も、やや離れる方もいらっしゃいますが、どうぞお元気で。

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『山形加茂海岸のクラゲ』ほか_d0028322_23111095.jpg
さて、出張の間に届いていたご恵贈本を紹介します。

先日の朝日新聞社主催の下村先生企画でご一緒した加茂水族館の館長さん、村上龍男様から『山形加茂海岸のクラゲ(久保田信監修、村上龍男著、撮影、東北出版企画)』と『思い出語り 雑魚しめ(村上龍男著、東北出版企画)』を頂きました。
すみません、Amazonで表紙画像がゲットできなかったので、いがらしさんという方の「かけまし日記」に掲載されていた画像を拝借します(ごめんなさい)。
凄いです!!!
数十種類のクラゲの美しい写真が満載。
もちろんオワンクラゲもありますが、やたら派手なハナガサクラゲ(山形の花笠音頭のソレですね)、ギンカクラゲ、アンドンクラゲ、ツリガネクラゲ、……などなど。
進化の上でカンブリア大爆発は魅力的な生き物に溢れた頃ですが、クラゲの世界は今もブレイク中なのでしょうね。
形作りの自由度が大きいのでしょうか……。
発生生物学的興味も尽きません。

後ろの方には水族館の苦労話も。
Amazonでは星5つのコメントが2つ載っていました。
うーーん、やっぱり今年は観に行かなくちゃ……。
(ついでに庄内で美味しいものを食べてー笑)

『思い出語り 雑魚しめ(村上龍男著、東北出版企画)』の方は釣りのお話です。
中心となるのは、小さい頃の魚釣りの思い出。
佐藤廣先生という方の挿絵が良い雰囲気ですね。

こちらの水族館のサイトに本がまとめて掲載されていました。
オンライン購入も可能なようです。
うーん、便利な世の中だわ……。

先日の写真とともに送って下さいまして、村上館長、有難うございました!

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『山形加茂海岸のクラゲ』ほか_d0028322_2327526.jpg
さて、もう一冊『博士号を取るときに考えること 取った後できること』(三浦有紀子・仙石慎太郎著、羊土社)の方は、編集サイドから書評依頼があったのですが、とてもじゃないけど、今は無理。
著者のお一人にはお世話になったので、代わりにブログにてご紹介。

著者のお二人は、確かこの出版社の連載コラムに、いわゆる「ポスドク問題」を書いていたはずです。
お金の話をするのは好きではありませんが、この本は238ページで2900円というのが凄い。
しかも、最近の本に「よくあり」の、スカスカした文章ではなく(笑)、凝縮度の高いページ構成。
でも、著名な研究者や多様なキャリアパスに進んだ方々のインタビュー記事などは話言葉なので、そんなに堅苦しくない。

きっと読者は、これから博士課程に進もうかどうしようか考えている方や、ポスドクで次の就職先を思案している方が中心なのでしょうけど、ラボを持ったPIの方も読んでみるべきでしょうね。
もちろん、ボスだって十人十色、ラボのスタイルはそれぞれ異なって当然ではありますが、博士課程進学状況が、ご自分がのときと異なることを認識するために。

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さて、明日からいよいよ新年度、新学期ですね!
ここしばらく寒さがぶりかえしていて、桜の蕾は足踏み状態……。
by osumi1128 | 2009-03-31 23:35 | 書評

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