大学ロボコン2009【放送予定追記】
2009年 06月 09日
本サイトの方にはまだ審査結果がアップされていませんが、まぁ許してもらいましょう(笑)。
今年のテーマは「旅は道連れ、勝利の太鼓を鳴らせ」となっていて、ここ数年続いた、ロボット同士が絡むものではなく、それぞれのチームでの技術をタイムや点数で競うタイプのルール設定。
この競技は、日本の伝統的な乗り物「かご」による旅をイメージした競技です。
「自動ロボット」と「手動ロボット」が協力して「かご」をかつぎ、そこに「旅人ロボット」を乗せて、「ゴールゾーン」を目指して旅します。「かご」の前を「自動ロボット」が、後ろを「手動ロボット」が、かつぎます。
道中には「峠」や「林」をイメージした課題が待ちかまえます。「かご」や「旅人ロボット」を落とさないように、課題をクリアしなければなりません。
「ゴールゾーン」に着くと、「旅人ロボット」は「かご」から降り、自走して「勝利の太鼓」を打ち鳴らします。「勝利の太鼓」は、高い位置に3つ積まれた、日本の伝統的な太鼓です。
相手チームに先んじて、3つの太鼓すべてを打ち鳴らせば「ゴール」となり、勝利です。
試合は、赤、青、2チームの対戦形式で、試合時間は3分です。(公式サイトより)
ビデオおよび書類審査により選抜された20チームとその応援団が、本日オリンピック村に集合したのでした。
開会式の際に審査員席の前を1チーム3名が通り過ぎて行きましたが、いやー、みんな若いです(←当たり前だけど……)。
チームメンバーになっていた女子は長崎総合科学大学だけのようでしたが、PR係やピットクルーにもロボットに燃える(萌える?)女子は健在。
なかなか格好良くて頼もしい限り。
さて、予選はリーグ戦だったのですが、旅人ロボットを籠に乗せる、という課題をクリアーできないロボットが続出。
ロボコンといえばこの方、という審査員の清水先生(前橋工科大学)によれば、前日のテスト・ランでは結構こなしていたのに、今日は操縦者の緊張やら、昨日と天候が違って、ガイドラインをセンサーで読み取っていくあたりの設定にトラブルが生じたのではないか、ということでした。
第二の関門は16度の坂を登って下りる、というものですが、ここでも、せっかく籠に乗せた旅人ロボットが落下する、籠が地面に付く、などのミスによって、リトライになるもの多し。
その次の「林」をスラロームで抜け、太鼓を叩いてゴールしたのは数チームでした。
ルール説明のビデオを見たときは、これで勝負が難しいなんてことあるのかしらん?と思いましたが、さにあらず。
一つも課題をクリアできずに審査員判定になったものもあり。
さすがに予選を通過した8チームは、自動ロボットや手動ロボットの連携も良く、旅人ロボットのバランスもうまく作られていました。
優勝候補と言われていたのは豊橋技術大学と東大だったのですが、東大は準決勝で痛恨の敗退。
昨年も優勝を逃したリーダーの牛嶋君は大泣きしてました。
「旅人ロボットの位置が1センチずれました」ということが、籠乗せの課題をクリアできなかった原因とのこと。
東大を破った金沢工科大学が決勝に進みました。
豊橋は昨年の優勝校、金沢工科大学もABU進出経験ありの強豪同士でしたが、ほぼ毎回安定して31秒という参加チーム最速のタイムでゴールしていた豊橋が、最後の最後まで落ち着いたレース展開を示しました。
昨年までのロボコンチームのOB/OGや、学長さんまで来ているくらいで、応援団の皆さんの気持ちも優勝を後押ししたのでしょう。
私の役目は最後に「技術賞」を授与することだったのですが、惜しくも準決勝で敗れた東大のRoboTechチームに授与することになりました。
ロボコンでの経験を、実社会に出たときに活かして欲しいですね。
頑張って下さい!
人生での挫折は若いうちに経験した方が絶対に良いです。
放送予定
NHK総合テレビ 2009年7月20日(月・祝)午後1:05-1:59
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こういう大会というものは、締切というかゴールというか、明確に設定されていて、そこに向かってロードマップを作っていかなければなりません。
もちろん、クリエイティブな仕事において、締切無しというものもあるのですが、「時間があれば良いものが作れる」と思って、ゆっくりしか仕事をしないと、結局プロとして一流にはなれないのだと思います。
締切があって、それに向かって頑張ることを繰り返すことによって、時間の使い方の密度が上がっていくのでしょう。
研究の世界では、学位を取るという明確な締切が、いわば外から与えられるのですが、とくにそれ以降については、本質的には自分で締切を設定しないといけないのだと感じます。
学会発表は、外からの締切ですが、論文はそうではないので。