市民と美術館のより良い関係
2009年 06月 12日
Open Museum Project は市民とアーティスト、ミュージアムが連携し、アートを生み出す循環、サークルを創り出す新しい試みです。
サイエンティストの端くれの目から見たら、アートの世界の方がはるかに市民とプロの垣根が低いと思えるのですが、それでもこんな活動が行われているのだということに心打たれました。
サイエンスでは、アマチュア天文家や在野の昆虫学者などを別として、例えばハードコアな分子生物学などになるほど、一般の人の感覚とは遠い世界になってしまっている気がしています。
そんなことも自分の研究の舵取りを脳神経科学の方に向けるきかっけだったかもしれませんし、科学コミュニケーションが気になるようになった理由でしょうね。
先日、参加した文科省の脳科学委員会において、委員の一人である利根川さんが、オバマ大統領の言葉として「科学は民主主義の基盤である」と引用されていましたが(該当するスピーチの一節を探したのですが、ぴったりしたものが見つからず……)、本当にそうだと思います。
同様に、「芸術は民主主義の基盤である」とも言えますね。
アートもサイエンスも、どちらも人類の素晴らしい営みです。
ダビンチの時代からはるか下った現代のサイエンスの成果でも、数百年後にアートとして残っているものはあるでしょう。
音楽にしろ建築にしろ論文にしろ、ホンモノは時代を超えると思います。