脳カフェ無事終了&安田峯生先生の特別講義【さらに追記あり】
2009年 07月 13日
トークが2つで、錯視の北岡先生と、我がグローバルCOE拠点メンバーの福田先生でしたが、間の休憩時間に来場者の一部が入れ替わり、後半は「脳科学と美白って???」という興味からか、やはり女性が多くなりました。
錯視は19世紀にはすでに報告があるとのことですが、北岡先生のご専門は「動く系」の錯視です。
静止画なのに動いて見えるという錯視です。
興味のある方は是非こちらのホームページ北岡明佳の錯視のページをご覧ください。
福田先生の方は、ちょうど先日プレスリリースになった「メラニン合成酵素」を輸送する新規分子を発見ー新たな美白ターゲットとして期待という内容でしたが、かなり論文データも満載(これがまた、プロの目から見て、非常に美しい!!!)。
脳科学との関係は、実は細胞内輸送という観点から見ると、分子の共通性があるということなのです。
また、ロボットの石黒研からは今回も「ヘビロボット」の実機を持ち込んで頂き、デモンストレーションをしましたので、キッズも大喜び!
複雑な脳が無くても、合目的的な動きをさせることが可能なロボットです。
詳しくは石黒研ホームページをご覧ください。
司会をして下さったのは、元東日本放送のアナウンサーの岩田有未さん。
ナイスなツッコミを有難うございました。
朝から準備に当たってくださった脳科学GCOEの若手の皆さん、事務局の方々、そして、今回もコーヒーの提供を下さった財団法人しんゆう会の皆様、本当にお世話になりました。
有難うございました。
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会場撤収後、北岡先生を囲んでの打ち上げを行いましたが、その席でまずは自己紹介。
皆さん、私が大学院生だった頃に比べたら、はるかに上手な自己紹介をされます。
かつて、ボスがお呼びしたお客さん(特別講義の先生など)との夕食会などにお相伴させて頂いたとき、「自己紹介しなさい」と言われ、「電子顕微鏡をやってます」的な答え方をして、こっぴどく怒られたことを思い出します。
「それは<手法>でしょう。その手法を使って何を研究しているのかを言わないと……」
北岡先生と「キリンの首は何故長い?」の話題で大いに盛り上がったのですが、このネタはいつか近いうちに……。

実は、バッテリー切れによりあまり画像が無く……。
近いうちにGCOEのHPにはアップされると思いますが。上はKさんデザインによる外の道路に設置した看板。
ぐるぐる回る錯視とダルメシアン?

今回、メディアテークの市民図書館3階の「トピックコーナー」において、脳カフェ関連ということで、脳科学関係の本を100冊取り揃えて展示貸し出しをして頂きましたところ、かなりの回転率で貸し出されたとのこと。
この日も借りた方が多数いらして、こちらは開会前の状態。
イベント終わって北岡先生をご案内したときには、さらに残り少なくなっていました。
一回限りのカフェイベントだけでなく、こういう「学び直し」的な連動というのは、大事だと思います。
ちなみに、とある非公開の委員会でも議論されていたことですが、中学生、高校生向けにサイエンス・イベントを行うだけでは、理系進学等へのモチベーションの持続には繋がらないとのこと。
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本日午後は医学部発生学の講義の最終日でした。
特別講義として、「ラングマン人体発生学」の翻訳出版をずっと続けていらっしゃる広島大学名誉教授の安田峯生先生をお呼びしました。
自分が大学院生だったときに、すでに教授だった大先生に、こうして講義に来て頂くというのは、時間の流れを感じます。
安田先生は日本における先天異常研究の大家である西村秀雄先生の流れをくむ方で、日本先天異常学会の会長や、そのオフィシャルジャーナルCongenital AnomaliesのEditor in Chiefを長く務めてもいらっしゃいました。
授業の間に「三択問題」を出して、青、黄、赤のカードを挙げて答えてもらう、というやり方は、なかなか良い教育法であると思いました。
【以下追記】
それから、手書きのイラストが随所に使われているのが、とても分かりやすい。
元々はOHPシートに色ペンで描かれたものですが、それをスキャナで取り込んでいるので、微妙な影や汚れが付いていて、何とも味があります。
OHPシートについて分からない方はこちらの「オーバーヘッドプロジェクター(OHP)を使っての発表の基本」(日本土壌学会雑誌より)をご覧ください。
この掲載が平成9年となっていましたが、確かに、10年前に仙台に来た当初の講義では、私もOHPを使っていました。
時代の流れを感じます。